鎌倉藤沢の不動産投資110番 ふじっくす
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購入 VS 賃借
永久のテーマに対する最終結論は?
様々な事項を検討し、最終的に「購入」と「賃貸」のいずれにするのかは、あなたの判断次第になりますが、
という衝撃の事実があるのをご存知でしたか?
住宅について「購入と賃貸どちらが良いのか」というテーマは、雑誌などでも度々取り上げられる、いつの時代も注目度の高いテーマです。
また「購入と賃貸では、どちらが良いのか」とは「購入と賃貸では、どちらが経済的にお得なのか」という切り口で話が進められることが多いようです。必ずしも「経済的にお得なことが良いことだ」とは限りませんが、やはり、経済的な負担の大きさが多くの人の最大の関心事ということなのでしょう。
まず、そもそもマイホームを購入するということが、経済的な視点からどういう意味をなすのか、考えてみることにします。
あなたも株を購入されたことがあるでしょう。購入に際しては様々な情報を収集分析し、「これは」と判断した株を購入して、予測どおりに株価が上昇すれば儲かり、外れてしまうと残念ながら損をしてしまいます。
仮に自己資金が1000万円あり、これで1000万円分の株を購入するとしましょう。その株が3000万円にまで上昇すると、あなたの儲けは2000万円です。
さて、自己資金1000万円の他に4000万円を借金して合計5000万円の資金が調達できるとします。これで5000万円分の株を購入したら、あなたの儲けはどうなるでしょうか。自己資金だけの場合と比較すると、なんと5倍の1億円です。こんなに儲かるのなら、やはり借金すべきでしょうか。
しかし、ここで踏みとどまって「儲かるときは大儲けできるけど、損したときは大損になるから、やはり株は自己資金の範囲内でやるべきでは」とお考えのあなたは賢明です。この例で、仮に5000万円の株が1000万円にまで下落すると、自己資金は全て失い、借金が3000万円残るだけです。
このように、借金をしてレバレッジ(てこの原理)を効かせて投資するのは、ハイリスク&ハイリターンの危険を伴うため、慎重にならなければいけません。どんなに分析を重ねても、予想通りにはならないのが株の世界ですから、普通は、自己資金を5倍にもして株を購入したりはしません。失敗したときの危険があまりにも大きいからです。
しかし、これと「しくみ」は全く同じなのに、そのリスクの存在すらほとんど認識されることなく、多くの人がごく当たり前にしている投資活動があります。では、そのごく当たり前にしてされている投資活動とは何なのでしょうか?
勘がよい方はもうお分かりですね。そうです、それは「住宅ローンを利用してマイホームを購入する」ということです。世の中でごく当たり前にされているこのマイホームの購入が、実は、借金して株を購入するのと、本質的には全く同じなのです。
「住居として使用するマイホームの購入」と「利益を狙う株式投資」とが本質的には同じである、といきなり云われても、直ぐには納得し難いかもしれませんが、購入した投資商品が値上がりすれば儲かるし、値下がりすれば損する。借金して購入すれば、大儲けもあれば大損もある。それが株であっても住宅であっても同じです。
なにより、住宅ローンでマイホームを購入するということは、レバレッジを効かせてハイリスク&ハイリターンの投資商品を購入することである、という認識をまず持つ必要があるのです。
しかし、株は儲けを狙って購入するものである一方、住宅は自分が住むために購入する実需に基づくものなので、そもそも購入の目的、すなわち、借金の目的が異なります。
貯蓄をして5000万円になった時点で購入すれば、借金をしなくて済むのですが、それだと人生の大半は終わった後の購入になってしまいます。この対策として、人生をマイホームに居住して過ごすために、お金が貯まった後に購入するのではなく、やむを得ず不足分を借金して、先に購入するわけです。
しかし、本人にその意識がなくても、これは結果として、住宅ローンでレバレッジを効かせた「住宅というハイリスク&ハイリターンの投資商品」を購入したことに他ならず、儲かるときは大儲けになりますが、損するときは大損になってしまうのです。
高度経済成長の時期は、土地価格は上昇こそすれ、下落することはありませんでした。いわゆる「土地神話」です。この時代の多くの人は、ただ単に「マイホームに住みたい!」という想いのみで銀行から住宅ローンを借りてマイホームを購入しただけで、上記のような過程を経て判断していたわけではないのでしょうが、確実な値上がりが見込める住宅という投資商品に全財産どころか借金までして全てを投入することが、実は経済的合理性の観点からも理に適っていたのです。
つまり、不動産価格が急騰していた高度経済成長の時代は、不動産価格の上昇に給料の上昇が追いつかなかったので、とりあえず購入可能な物件を取得して不動産の値上がり益を確保しておかないと、そのまま「夢のマイホーム」は本当の「夢」で終わってしまったのです。
逆に、「夢のマイホーム」実現の第一歩として小さなマンションを購入しておくのは、その物件の不動産価格が上昇して次へのステップとしてつながるときこそ意味があるのであって、購入時より不動産価格が下落するのであれば、次へのステップどころか、足かせにしかなりません。
これからの時代は、中長期的な人口減少や経済低迷が予想されており、住宅ローンを払い終わった35年後に、マイホームの価格がどうなっているのかを十分に検討して、購入する必要があるのです。実際、1990年代に購入したマイホームの多くが、現在はその価値が1/2や1/3にまで下落してしまい、もし売却すると膨大な借金だけが残ってしまう状況に陥っています。
売却を前提とした株と違ってマイホームは居住用に使用するものなので「売却しなければ、得も損もないのでは」とお考えかもしれません。確かにそのように考えることもできますし、実際、売却することなく「終の棲家」として住み続け、さらに、そのまま子供に相続されることが多いのも事実です。しかし、それは単に含み益や含み損を実現させていないだけで、経済的な視点からは、実現させないことに意味はありません。
そもそも5000万円で購入したものが35年後に3000万円にまで値下がりするとしたら、あなたは敢えてその投資商品(住宅)を購入しますか?
ここまでは「住宅ローンにより借金をしてマイホームを購入するということは、数千万円の高額な投資商品を5倍ものレバレッジを効かせて購入することであり、しかもその結果が判明するのはずっと先の将来(35年後のローン完済時や相続時など)なので、その価格動向も含め、購入にあたっては慎重に判断しなければならない」というご説明をしてきました。
しかし「居住用の住宅を購入しなければ、35年間家賃を支払い続けなければならないので、単に不動産の価格動向だけで判断するのは早計ではないか」というご意見もあるでしょう。いわゆる「購入と賃借では、どちらがお得なのか」という議論です。
少しくらい不動産価格が下落して損をしても、購入した方が賃借するより遥かに住居費が安上がりで、不動産価格の下落を充分カバーできるのであれば「購入の方がお得」ということになります。
その逆で、少しくらい不動産価格が上昇して得をしても、賃借した方が購入するより遥かに住居費が安上がりで、不動産価格の上昇を充分カバーできるのであれば「賃借の方がお得」ということになります。
もし購入した住宅に自分が住まないで他人に貸せば家賃収入が入ります。しかし、他人に貸すことなく自分で住めば、この家賃は入りません。それぞれ当たり前のことですが、この2つについてもう少し深く考えてみましょう。
まず、他人にマイホームを貸している場合は家賃が入りますが、自分が住む家も別途必要となり、その家賃を支払わなければなりません。同じ質の生活をする、つまり同じグレードの住宅に住むことを前提にしないと購入と賃借の比較にならないので、その家賃は、自分が収受する家賃と同額が相当ということになります。結果として、自分が家賃として収受したものと同額の家賃を他人に支払うことになり、プラスマイナス「0」になります。
ちなみに、「同じグレードの住宅に住むことを前提にしないと購入と賃貸の比較にならない」とは、購入と賃借の比較をしているのに、購入の場合は豪邸を購入し、賃借の場合は安アパートに住むのでは、変数が2つ(豪邸VS安アパート、購入VS賃借)になるので、純粋な購入と賃借との比較ができない、つまり、購入も賃借も同じ生活レベルを前提にしてこそ購入と賃借の比較が可能になる、ということです。
例えば、自動車を購入する場合とリースする場合との費用を比較するとして、購入はベンツでシミュレーションする一方、リースはカローラでシミュレーションしたのでは、購入した場合とリースした場合との費用の比較にならないのと同じです。購入とリースの費用を比較するのであれば、ベンツかカローラのいずれかに車種を揃えることはシミュレーションの大前提です。
次に、自分で住むということは、「賃借人である自分」が「大家である自分」に対して家賃を支払っている、と考えることができます。マイホームに自分が住んでも、マイホームを他人に貸しても、どちらも大家は自分ですが、自分で住む場合は、「家賃を支払う自分」と「家賃を収受する自分」が並存しているので、結果として、表面的なお金の流れが発生しません。よって、他人にマイホームを貸している場合と同じく、プラスマイナス「0」になります。
このように考えると、マイホームに自分が住んだとしても、貸している相手が「自分」か「他人」の違いだけで、誰かに住宅を「貸している」ということに変わりはないのです。つまり、「自分に貸す(自分で住む)」か「他人に貸す」かの選択では、両者は経済的には同じ、ということになります。
余談になりますが、マイホームを購入して自分で住んでも、そのマイホームは何も産み出さないどころか住宅ローンの支払いが発生するだけの「負の資産」に過ぎないが、これを他人に貸すとキャッシュを産み出す「正の資産」に変身する、という論調で「マイホーム性悪説」を説いている解説本があります。一面としては正しいと考えますが、この考えの前提には、ある重要な要素が欠落しています。
それは、この手のものを読んでいつも不思議に思う「マイホームに住まないのであれば、本人はどこに住むの?」ということについて、一切の言及がないことです。
格安の社宅がある、実家に居候する、橋の下に住む、といった具合にほとんど住居費を発生させない一方で、マイホームに住むという贅沢をせずにこれを他人に貸してキャッシュを稼ぐ、ということであれば、合点がいくのですが、「どこに住むの?」という重要なポイントについての具体的な提案がどの解説本にもありません。
少し横道にそれてしまいましたが、話を元に戻しましょう。
では、マイホームを「自分に貸して」も「他人に貸して」も同じなのであれば、その住宅を「自分から借りた」のと「他人から借りた」のとでは、違いがあるのでしょうか。単に「貸し」「借り」という立場が逆になるだけなので、経済的には同じになりそうな気がしますが、あなたはどう考えますか?
大家として不動産を賃貸する場合、さまざまな費用が発生します。建物は減価していき最終的には価値がなくなるので、建物価格は全額費用として考えます。日本では、20年も経過すると建物は価値がないものとして取引され、それどころか、売却となると更地にするための取壊し費用分だけ建物はマイナス資産にすらなりかねません。ちなみに、土地は減価しないので、費用とは考えません。この他、銀行から借金をすれば、その支払利息が発生します。税金、修繕費など諸々の費用も発生します。
これらの発生費用の総額を一定期間(ここでは住宅ローンの一般的な返済期間である35年とします)かけて家賃として回収していくことになります。仮に発生費用の総額が3500万円であれば、一年間の家賃は100万円(実はもう少し複雑な計算になりますが、ここでは単純に考えます)ということになります。
他人が購入したこの住宅を「他人から借りた」場合、上記の計算により年間100万円の家賃を「他人である大家」に対して35年間支払うことになるので、総額では3500万円の支払いになります。
一方、その住宅を自分が購入し「自分から借りる」場合はどうなるのでしょうか。「自分から借りる」場合の大家は「自分」で、「他人から借りる」場合の大家は「他人」です。賃貸する住宅は同じものを前提としているので、大家が「自分」であっても「他人」であっても、住宅を貸し付けるための原価すなわち住宅の購入費用等に変化はなく、3500万円で同じです。
この3500万円をベースに算出された年間100万円の家賃を「賃借人である自分」が「大家である自分」に対して35年間で総額3500万円支払うことになります。前述したように、「家賃を支払う自分」と「家賃を収受する自分」が並存しているので、表面的なお金の流れはなく、プラスマイナス「0円」になります。よって、実際に支払うお金は、住宅を貸し付けるための原価、つまり住宅の購入費用等である3500万円となります。
如何でしょうか。「他人から借りて」も「自分から借りて」も、必要となる費用の総額は3500万円で同じになります。これの意味するところは、どういうことなのでしょうか。「自分から借りる」というのは、住宅の「購入」です。「他人から借りる」というのは、住宅の「賃借」です。「自分から借りる」ことが「他人から借りる」ことと経済的に同じであれば、住宅の「購入」と「賃貸」とは、経済的に同じである、ということになります。つまり「賃借と購入の経済的負担は同じ」というのが結論になります。
それでは、購入と賃借には全く差異はないのでしょうか。上記は、購入と賃借を比較すると、資産価値として最終的に手元に残らないものに対する支出は同じになることから「賃借と購入の経済的負担は同じ」としました。しかし、両者には大きな違いが一つあります。それは「土地」の購入です。
家賃をどれだけ支払っても資産として何も残りませんが、購入した場合は資産として「土地(だけ)」が残ります。では、資産として土地が残るから購入の方がお得なのかというと、そういうことではなく、購入は単に土地分だけ支払いが多いに過ぎません。
ということは「購入とは土地を買うこと」であり「賃借とは土地を買わないこと」である、と言い換えることもできます。よって「購入」と「賃借」の損得の分かれ目の大きなポイントは「購入した土地の価格が上昇するか否か」ということになります。
土地価格が上昇すれば購入の方が得になり、土地価格が下落すれば賃借の方が得になるのです。よって、経済的な損得に絞って「購入」と「賃借」のどちらかを選択するのであれば、「購入した土地の価格が上昇するか否か」が大きな判断ポイントとなるのです。
ちなみに、最初の頃の住宅ローンの支払いは、その多くが支払利息であり、元金の返済にあてられる割合はごく僅かです。給与の上昇を前提とした「ゆとり返済」を利用しているなら、支払利息のみを支払っているといっても過言ではないでしょう。
つまり、「支払いをしても手元には何も残らない」という点では、賃借の家賃支払いも、購入の住宅ローン支払いも、全く残らないか、ほとんど残らないか、その程度の違いでしかありません。
それでは「元金返済分が資産として残っていくのか」というと、それも違います。元金返済分のうち資産として残るのは土地部分のみであり、土地部分以外(建物、その他手数料など)の元金返済については、費用に対応するものであり、資産として手元に残るものではありません。
また、唯一、資産として手元に残る土地部分に対応する元金返済分についても、土地価格が下落してしまうと、下落分については、資産として手元には残りません。
このように考えていくと、「家賃の支払と違って、住宅ローンの支払は資産として残る」という考えが、実は実態とはかけ離れていて、住宅ローンの支払いのうち、そのほとんどは手元に資産として残らないことが、ご理解頂けるでしょう。
「購入と賃借では、どちらが安いのか」という永久のテーマについては、ひとまず「賃借と購入の経済的負担は同じ」という結論になりました。参考までに、もう少し大局的なお話をすると、「購入」と「賃借」のどちらか一方が極めて有利であれば、不利な方から有利な方へと世の中全体の需要が流れ、最終的には損得のないところへ収斂していく、という経済の法則があるので、どちらかが極端に有利になることはありません。
もちろん、これらは世の中全体を俯瞰した場合の原則論であって、個別の事例では、原則論とは違った結果になることも当然あります。
実は、これらの結論については、もう少し掘り下げて考える必要があるのです。「住宅の購入と賃借の経済的負担は同じ」の前提として、家賃として回収されるのは「住宅を貸し付けるための原価」としていますが、この前提は正しいのでしょうか。
原価を回収するためだけであれば、わざわざ不動産賃貸をする理由がありません。なぜなら「儲け」がないからです。相続税対策や土地価格の値上益狙いのために不動産賃貸をしている場合など、儲けを計上する必要のあるケースばかりではありません。これらが主目的の特殊なケースであれば、空室リスクを回避するために損しない程度に家賃を下げるという考えもあるでしょう。
しかし、これらのような特別な理由がなく、原価を回収するだけであれば、敢えてリスクを冒してまで不動産賃貸をする理由がありません。そのお金を国債などで安全運用した方がよほど賢明です。ビジネスであれば、結果として儲からないことも当然ありますが、その前提は「儲けを目指す」ことにあるはずです。
つまり、家賃の内訳は「住宅を貸し付けるための原価」だけでなく、これに「儲け」を加算させるものです。そうなると、他人に支払う家賃はこの儲けが加算された金額を支払うことになりますが、自分に支払う家賃にはこの儲けが必要なく、原価のみの家賃になるので、この「儲け」分だけ住居費が安くなります。
さらに、「住宅を貸し付けるための原価」つまりマイホームの購入費用に対しては、
・住宅ローン控除に代表される税制優遇
・住宅ローンは、一般的な事業用借入金と比較すると、極めて
「長期返済かつ低利」で有利
・賃借人が自分のため、空室リスクがない
といった要素があり、通常のビジネスとして不動産賃貸をする場合よりもその原価が低くなります。また、直接の購入費用ではありませんが、マイホームの売却益に対しては様々な税制上の優遇措置もあり、これを広義の意味で「購入費用の抑制」と捉えることが可能だと考えます。
よって、純粋に費用だけで比較するならば、賃貸よりも購入の方が住居費は「安い」ということになります。
ただし、これはあくまで「同一物件」を購入する場合と賃貸する場合の比較です。マイホームは子供の成長などを考慮して、人生において必要となる居住面積の最大値を前提として購入することが多いものです。
しかし、人生において必要となる居住面積の最大値、つまり子供部屋が必要な時期はせいぜい10年程度のものです。子供が小さいときは敢えて必要なものではないですし、子供が成長してくると、大学から下宿生活が始まったり、成人して就職すると家を出ていったりと、いつまでも広い家が必要なわけではありません。
そうなると、この10年間以外はマイホームは「不必要に広い」ということになり、その不必要に広い家に住むことを前提に「購入」と「賃借」を比較すると、「購入」の方が安いということに過ぎません。マイカーに例えるなら、一生のすべてにわたってベンツである必要はなく、軽自動車の次はカローラ、そしてその次は・・・と必要に応じて車種を変えていけばよいのです。
それでは「新婚はアパート、子供が小学校入学するとファミリーマンション、そしてその次は・・・」といった具合にライフサイクルに合わせて賃貸物件を引越していく事を前提に、マイホームの購入と賃借を比較するとどうなるのでしょうか。残念ながら、これは単純な比較ができません。自動車に例えるならば、賃借は「最初は軽自動車、次はカローラ、その次はワンボックスカー・・・」といった具合に変化していくのに対し、購入の場合は最初から最後までずっとベンツなので、比較の対象、つまりグレードが異なるからです。
それでもあえて支出面のみを取り上げて比較すれば、住宅ローンを支払い終わる35年間だけであれば、賃借の方が安く、それから一定期間を過ぎた後は、購入と賃借の住居費用は逆転し、以後、賃借の方が高くなっていく、というケースが一般的のようです。
もちろん、自分の価値観による調整は可能で、住居費抑制を最優先にして賃料が安い物件に徹すれば、生涯住居費は極限まで圧縮できますし、広さや間取りにゆとりを持たせ立地の良い物件にすれば、その分住居費は上昇し家計は圧迫されます。このように自分の価値観によってどのような物件を選択するかにより、賃借による住居費の総額は変化してきます。
ここで、雑誌などの特集でよく取り上げられるモデルケースについて考察してみます。一般的には、以下のようなものです。
●賃借
・家賃15万円 2年ごとに0.3%上昇
・礼金・敷金72万円
・2年ごとに更新料として家賃1ヶ月分支払う
●購入
・物件価格 4500万円
・頭金・諸経費 1000万円
・住宅ローン 3600万円(35年返済・金利3%)
・管理費、修繕積立金、税金 年間 約40万円
・20年後と40年後にリフォーム 300万円
これらの条件を前提に「購入だと総額X000万円(35年後の売却価格控除後)、賃借だと総額X000万円、よって、賃借の方が安い。ただし、賃借は住居費が一生にわたって発生するので、7X歳以降は逆転して購入の方が安くなる」といった結論になるものが多いようです。
しかし、ここで幾つかの注意点があります。
これらのシミュレーションは、金利をはじめとした様々な数値を予想して計算されますが、この予想が外れる(もちろん外れます)と、計算結果も当然異なってきます。将来の金利などは誰にも分からないので、これはこれで仕方がないのですが、そういうものだという認識は必要です。
その意図するところは、これらの数値をいじる(変化させる)ことにより、シミュレーションする側にとって都合の良い結果を導き出せる背景がある、ということです。
現在支払っている家賃と比較して、計算上、購入の方が「月額の支払いが安い、又はそれ程変わらない」ということになると、もうほとんどの方は購入に気持ちが大きく傾いてしまいます。しかし、その「家賃並みの負担でマイホームを!」というシミュレーションを額面どおりそのまま信じてもよいのでしょうか。
・変動金利
住宅ローンの金利は、史上最低といわれる「変動金利」を適用して計算していることがほとんどです。変動金利とは、その時の景気の状況により金利が変化していくので、今後、永久にその金利が続くわけではありません。住宅ローンの返済期間は35年にすることが多いのですが、この史上最低の金利が35年間続くことはかなり厳しいと考えられるので、短絡的に「購入の方が安い」と判断するのは、非常に危険です。
・ゆとり返済
当初の一定期間(10年など)について返済金額を抑えた「ゆとり返済」をもとに計算していると、この一定期間が経過した後は、返済金額が大幅に上昇します。前述した変動金利はまだ「不確定」要素ですが、この「ゆとり返済」は、必ず返済金額が上昇する「確定」要素です。返済期間終了までずっとこの金額を返済していくわけではありません。
ゆとり返済は、終身雇用と年功序列を背景として、給与は年々上昇していきながら定年退職まで支払われることを前提にしていますが、これから35年後まで果たしてその保障が続くと言い切れるでしょうか?
・維持費
購入した場合、支払いは住宅ローンの返済だけではありません。一戸建てだと修繕費をマンションだと管理費共益費や修繕積立金といったものを住宅ローンとは別途で支払う必要があります。固定資産税などの税金負担もあります。
マイホームを販売する側の落とし文句である「家賃並みの負担でマイホームを!」という金額を演出するために、その月額の支払金額は、上記のような「変動金利」「ゆとり返済」「維持費」といったものを適切に反映させていないことが少なくありません。
当座の支払いは今の家賃より月額の支払いが安いことがあるかも(維持費などを加算すると逆転することがしばしばですが)しれませんが、注意しておきたいのは、この金額の支払いが一生続くわけではない、ということです。
都心ではマンション建設に供給できる土地が不足している、金利は今が底、消費税の税率がアップする、といった題材をもちだして「家賃並みの負担でマイホームを!」と同様に「マイホーム購入は、今がラストチャンス」と購入を煽る販売業者が散見され、このように云われると「今すぐ買わなきゃ」という気持ちにどうしてもなってしまいますが、少し冷静になって考える必要があります。
結論から申し上げると、経済的な損得だけの判断であれば、注意しなければならないのは土地価格の動向のみで、それ以外のものについては、金利動向がやや気になるものの、参考程度の要素に過ぎません。たとえば、土地2000万円、建物1000万円の場合を考えてみましょう。
・消費税
消費税が5%から10%に上昇したとしても、その差額(土地には消費税がかかりません)は50万円です。消費税についは、税率アップ前の駆け込み需要の為、不動産価格の上昇が予想される一方、税率アップ後は駆け込み需要の反動減により、不動産価格の下落が予想されます。そう考えると、消費税のアップ分程度は吸収されてしまうか、場合によっては消費税の税率アップ後の方が安く購入できるかもしれません。
・金利
金利については、現在の逼迫した日本の財政状況を考えると、やがて金利は上昇していくという見方が支配的で、長期固定金利で住宅ローンを組み、その後金利が上昇していけば、その差額分が住居費の負担軽減に貢献します。変動金利や2-3年の短期固定金利を選択するのであれば、これらは金利動向なりに変化していきますので、今すぐ買わなければならない理由にはなりません。
・土地価格
最後に土地価格の動向です。100万円や200万円というと、日常生活の金銭感覚からは、その金額の絶対値は大きいものがあり、消費税率アップなどに煽られて「今すぐ買わなきゃ」という気持ちにもなりやすいでしょう。金利の動向も気になるところです。しかし、土地価格が半額に下落すれば1000万円も損してしまうのです。今後は金利が上昇し、これに連動して土地価格も上昇するのか、中長期的な人口減少に伴う住宅の需要減により土地価格も下落していくのか、あなたが土地価格の動向をどのように予測するかによります。
住宅の購入は経済的な損得だけで判断するものではなく、また、経済的な損得を基準にするとしても、今後の土地価格の動向を最優先に考えるべきであって、それ以外のものについては、あくまで参考程度の数値に過ぎません。
つまり、金利や消費税などで仮にお得だとしても土地価格が大幅に下落すれば、これらのメリットは軽く吹き飛んでしまいます。
とにかく、くれぐれも「マイホーム購入は、今がラストチャンス」という言葉に煽られて、よく考えることなく軽々にマイホーム購入を決めることだけはしないようにしてください。
さて、長くなっているので、一旦、これまでのご案内をまとめると、
・住宅ローンで購入するマイホームは、ハイリスク・ハイリターンの投資商品
・意外にも、住宅の「購入」と「賃借」の経済的負担は同じ
・よって、住宅の「購入」と「賃借」の損得は、購入した土地の価格動向次第
・実は、家賃の利益や優遇税制等を勘案すると、購入の方が安くつく
・しかし、広いマイホームが一生にわたって必要なわけではない
・よって、ライフステージに応じて賃貸物件を住み分けると、賃借の方が安くなる
・「家賃並みの負担でマイホームが購入できる」には注意点多数
・「マイホーム購入は、今がラストチャンス」に煽られるな
といった流れになります。
ここまでは「分からないものは分からない」という前提で、物価動向等については変化がない(予想できない)ものとして、シミュレーションしてきました。しかし、実際には物価に変動が全くないことはあり得ないので、最終的に経済的負担の損得は、今後の物価動向により変化していくことになります。
今後の物価動向がインフレ基調であれば、土地価格は上昇し、住宅ローン金利も上がります。よって、購入していた場合は、土地価格の上昇分だけ資産形成がプラスされますし、長期固定金利で住宅ローンを組んでいれば、金利上昇分だけ経済的負担が軽減されることになります。
逆に、今後の物価動向がデフレ基調であれば、土地価格は下落し、住宅ローン金利も下がります。よって、購入していた場合は、土地価格の下落分だけ資産形成がマイナスになりますし、長期固定金利で住宅ローンを組んでいれば、金利下落分だけ経済的負担が増加することになります。
これらはあくまで一般論であり、土地価格が物価動向に必ず連動するとは限りませんし、また、土地は個別性の強いものなので、土地価格全体が上昇基調であっても逆に下落する土地もあれば、下落基調の中でも上昇する土地もあります。最終的にはあなたの判断次第ということになるのです。
さて、ここまでは、経済的な負担の損得に重点を置いてご案内してきました。マイホームを購入するにあたって、経済的な負担の損得は、皆さんにとっても非常に関心が高い判断基準のはずです。
しかし、住宅の購入を経済的な負担の損得のみで判断するのは非常に危険で、これ以外の要素についても検討する必要があります。むしろ、この要素の方が重要かもしれず、これがひいては経済的負担の損得にも大きく影響してくることが往々にしてあります。代表的なものとしては、
・資産価値毀損の可能性
・生活圏の制約
・負債の大きさ
・賃貸物件はグレードが低い
・高齢者は賃貸物件を借りにくい
・住宅へのこだわり
といったものがあげられます。これらについては、一般的に、購入のメリットは賃借のデメリットになり、その逆で、購入のデメリットは賃借のメリットになります。
・資産価値毀損の可能性
確率は低いとはいえ、火災や地震などの自然災害により建物の価値が大きく毀損することがあります。建物部分の割合が高いマンションであれば、なおさらです。
老朽化が進行した場合は、一戸建てであれば修繕するのか立て替えるのか、自分だけの判断で決定できます。しかし、マンションなどの集合住宅だと、住人の間で調整が必要になり、これの調整が進まないと、老朽化が一層進行して、ますます資産価値が毀損するという悪循環に陥る危険があります。
また、直接には建物が毀損していなくても、正体不明の新興宗教や暴力団まがいの人物が近隣に引っ越してきたり、環境の変化で公害の被害等を受けるようになったりと、不動産を所有していることには様々なリスクが伴います。東日本大震災の放射能被害は記憶に新しいところです。
上記のような状況になると、そもそも買い手がつきませんが、仮に買い手がついたとしても、価格が大きく下落している為、住宅ローンの残債が返済できないといった、八方塞りの状況に陥ることが予想されます。
しかし、賃借であれば、引っ越してしまえば、全ての問題が解決します。
・生活圏の制約
人生においては、家の広さや間取りよりも立地やその他の条件を優先させなければならない場合があります。転勤、転職、子供の学校、親の介護など、他の場所に転居したくても、一旦、マイホームを購入すると、賃借のように簡単には引越しができず、そこに住み続けなければならないので、他の条件を優先させることは厳しくなります。
・負債の大きさ
東京電力の経営悪化や日本航空の倒産など、1部上場企業のなかでも更に日本を代表する屈指の超エリート企業でさえ、どうなるか分からない世の中になりました。また、たとえ公務員であったとしても、
夕張市をみれば分かりますが、昔のように「親方日の丸で、倒産の心配なし」というわけにはいきません。第2の夕張市はどこになるのか、と戦々恐々としている状況です。
東京電力や日本航空があのようになるなど、その1年前に予想できた人がどれだけいたでしょうか。ましてや、住宅ローンは通常35年支払いです。35年後に世の中がどうなっていて、あたなの会社や職業がまだ安泰なのかなど、誰も断言することはできません。
このようなことは、自助努力が及ぶ範囲外なので、どうしようもないのですが、収入が激減しても、原則として銀行は住宅ローンの返済を待ってはくれません。まったく救済策がない訳ではありませんが、生活はかなり厳しいものになります。
このような時、賃借であれば、家族で雨風しのげる小さなアパートにでも引っ越して、なんとかその場をしのぐという選択肢もありますが、いったん購入してしまうと、そう簡単にはいかないのです。
売却してしまえばよいのでは、とお考えかもしれません。不動産価格が上昇しているときであれば、売却して住宅ローンを清算すると、まだ手元にいくらのお金が残りました。しかし、現在のように不動産価格が下落している時期だと、マイホームを売却しても、なお1000万円単位のローンが残り、この残債もあわせて返済できるだけのお金がなければ、売却することすらできないのです。
また、将来独立したい、店を持ちたい、といった夢がある場合、高額な住宅ローンがあると二の足を踏んで前に進めない場合があります。
独立や起業が上手くいけばよいのですが、失敗した場合、大幅な収入減となって住宅ローンの返済が滞ってしまうため、夢の実現に向けての第一歩をなかなか踏み出すことが出来なくなるのです。
・賃貸物件はグレードが低い?
不動産賃貸は、家賃から費用を控除したものが利益になる為、
・家賃を上げる
・費用を下げる
のいずれかを実施すると、利益が大きくなります。相場を無視した家賃の値上げをしても、なかなか入居者が入らない「空室リスク」が発生するだけなので、利益を獲得するには、可能な範囲で極力費用をかけないようにするしかありません。転勤などの理由により一戸建てや分譲マンションをそのまま賃貸にだすこともあるので、一概には云えませんが、採算を考えると賃貸用の物件にはあまり費用をかけることが出来ないので、一般的にあまりグレードが高くならない傾向にあるようです。
また「もう少し間取りの広い賃貸物件はないのか」といった声がよくあがります。しかし、100uの部屋を一つ貸すよりも50uの部屋を二つ貸すほうが「トータルの家賃収入を多くしやすい」「空室リスクを回避しやすい」といった理由があるため、なかなか適度な広さのファミリータイプ賃貸物件がでにくい、という貸す側の事情もあり、根本的な解決は厳しそうです。
・高齢者は賃貸物件を借りにくい?
高齢者にもなると、これまでの人生の総括がほぼ終わっているので、経済的に成功した人は一般的に持ち家に居住しています。これの消去法で、高齢者になっても賃貸物件に住まなければならない人は、経済的に成功していない、つまり、所得の少ない人が多い、と考えられます。
大家としては家賃の滞納は回避したいので、経済的に問題のある可能性が高い人、つまり、高齢者になっても持ち家がないために賃貸物件に住まなければならないような人にはあまり貸したくない、というのが本音のようです。
このような業界慣行があるため、老後は賃貸物件を借りにくいのでは、という不安を抱いている人も多いようです。この不安も一概には否定できませんが、日本においては今後ますます高齢化が進んでいくことが予想されており、これをビジネスチャンスだと捉え、高齢者専用の賃貸物件を建設する動きもあるようです。
もっとも、老後になってまで住む家の心配などしたくない、きちんと老後の住まいを確保して安心したい、とお考えであれば、購入をお勧めします。
また、住宅ローンの支払いが終了すると、購入であれば、この後は修繕費や固定資産税などが発生するだけなので、住居費は劇的に下がるのに対し、賃借であれば、家賃の支払いは一生続きます。
しかし、購入であれば、その後は古家に住み続けることになりますが、これに対し賃借だと、新築をはじめとして家賃相応の物件に住むことが可能です。
・こだわり
不自由なく普通に住めればそれでよい、とお考えであれば、賃貸物件で十分かもしれません。購入に伴う様々なリスクを敢えて冒す必要はないでしょう。しかし、
・特定の地域に住みたいが、そこには適当な賃貸物件がない
・音楽演奏をするための防音対策をした部屋など、特殊な構造の家がほしい
・間取りや家のつくりにこだわりがあり、自由にリフォームしたい
・マイホームの所有、という満足感を味わいたい
・社会的信用を得たい
など、賃借では自分のニーズを満たすことができないのであれば、購入することをお勧めします。
住宅について「購入と賃借どちらがよいのか」というテーマに対しては「個人の価値観によるので、その人にとって、どちらがよいとは一概には云えない」というのが結論になります。
基本的に「購入」と「賃借」の経済的負担に大きな差異はありませんが、「土地価格」と「金利」に変化が生じると、「購入」と「賃借」に損得が発生してきます。インフレだと「購入」がお得、デフレだと「賃借」がお得、になる可能性が高くなるでしょう。しかし、住宅ローンの返済が終了する35年後までの予想は誰にも出来ないので、あまり深く考えても仕方がない、ともいえます。
とにかく住居費を安くしたい、という経済的負担の軽減を最優先にするのであれば、家賃の安い賃貸物件に住み続けることです。人生における支出を住居費のみに偏重させるのではなく、もっと他のことも充実させたい、という考えであれば、マイホーム取得は選択肢から外し、子供の教育、旅行、趣味などを充実させればよいのです。
20-30代でマイホームを購入し、終の棲家としてこれに一生にわたり住み続ける、というのは住居費に重きを置いた暮らし方です。賃貸物件では満たされない希望をマイホーム購入に見出すのであれば、購入するしかありません。
しかし、マイホームを購入するということは、単に金銭的支出が住居費に偏るということだけでなく、住宅ローンの「呪縛」を一生にわたって背負い続けなければならない、ということでもあります。
大きな負債をほぼ一生をかけて返済し続けなければならないため、単に返済が大変ということだけでなく、人生において発生する様々な変化に対し、臨機応変な対応ができなくなる、というのが、マイホーム購入の最大のリスクといえるでしょう。一生を賃借で過ごせば、このような「呪縛」による大きなリスクを負うことはありません。
ここまでの長文にお付き合い頂き、お疲れ様でした。じっくり理解しながら読み進めたのであれば、軽く1時間は要したのではないでしょうか。
さて、これまでご案内してきた「購入 VS 賃借」のポイントは、
・マイホーム購入を経済的な損得のみで判断するのであれば、土地価格の動向次第
・むしろ、経済的な損得よりも、マイホーム購入に伴うリスクをどう判断するかが重要
・人生における様々な変化に柔軟に対応したいのであれば、賃借
・マイホームでのみ得られる希望をかなえたいのであれば、購入
・しかし、マイホーム購入すると、大きな「呪縛」を一生背負うことに
というものでした。住居費は金額が大きいので、その選択を誤ってしまうと「他のものを少し我慢して、当座は何とか凌ぐ」ということが簡単にはできません。消去法で安全策をとるならば「賃借」を選択した方が無難です。
また、土地価格は、
・人口が増加する
・経済的に発展する
という2つの要素により土地の需要が増加すれば、上昇していきます。逆に、
・人口が減少する
・経済的に後退する
といった環境であれば、土地の需要は減少し、下落していきます。
後者だと判断して賃借にしたが、環境が変化して前者の状況になれば、これに対応して途中でマイホームを購入することはできます。しかし、前者だと判断してマイホームを購入したが、環境が変化して後者の状況になっても、これに対応して途中で賃借に変更することは事実上不可能です。
こうした観点からも、「賃借」を選択した方が無難になります。
「いい話を聞けて(読めて?)よかった」と安心しているあたな、ホッとするのはまだ早いですよ。なぜなら、「購入 VS 賃借」という永久のテーマに対する最終結論をだす前に、必ず検討しなければならない、更なる重要な検討事項がまだ残されているからです。
これまでのご案内を踏まえて、様々な事項を検討し、最終的に「購入」と「賃借」のいずれにするのかは、あなたの判断次第になりますが、
という衝撃の事実があるのです。
あまりに凄すぎて「本当なの」と疑いをかけられても仕方がないと自認してはいます。あくまでケースバイケースなので損失の金額には幅があり、また人によってはこの損失が発生しないことありますが、残念ながら数百万円から1000万円程度という金額は、決して誇張したものではありません。これを知らずして慌ててマイホームの購入を決定してしまうと、後で大きな後悔をすることにもなりかねません。
ちなみに、この更なる重要な検討事項とは「新築や中古を問わず」としているので、
といったものではありませんので、念のため。上記2つも重要なことではありますが。
「ドラゴン桜」という学園ドラマをご存知でしょうか?
元暴走族という異色の経歴を持つ弁護士・桜木建二が、偏差値36の落ちこぼれ高校生たちに「世の中の仕組みと現実」を教え、そして彼らを見事「現役東大合格」へ導く、という奇跡と感動の学園ドラマです。
このドラマ、10代の若者や受験生を抱える親世代だけでなく、日々の競争社会を生きているビジネスマンにも大きな反響があり、当時の社会現象になりました。
このドラマの中で次のようなシーン(第1話 「人生を変えろ!東大へ行け」)がありました。
そのルールは全て、頭の良い奴に都合のいいように創られてるってことだ。
逆に、都合の悪い所は わからないように上手く隠してある。
だが、ルールに従う者の中でも、賢い奴は そのルールを上手く利用する。
例えば、税金。年金。保険。医療制度。給与システム。
みんな、頭の良い奴がわざと分かり難くして、
ろくに調べもしない頭の悪い奴らから多く採ろうという仕組みにしている。
つまり、お前らみたいに、頭を使わず、面倒臭がってばかりいる奴らは、
一生騙されて高い金払わされ続ける。
賢い奴は、騙されずに 得して勝つ。
バカは騙されて 損して負け続ける。
これが、今の世の中の仕組みだ。
これは、東大進学の特別クラス担任として就任挨拶をするシーンにおける、弁護士・桜木建二のセリフです。
「税金、年金、保険、医療制度、給与システム、といった社会のルールは、全て頭の良い奴が自分達の都合のいいようにこれを創り、頭の悪い奴らから多く採ろうという仕組みになっている」と説いています。
「賢い奴は そのルールを上手く利用し、一方、面倒臭がってばかりいる奴らは、一生騙されて高い金を払わされ続ける」と断言します。
賢い奴は ルールを上手く利用する
なんと示唆に富んだ名言でしょうか!
ルールを上手く利用するか、しないか。たったこれだけの違いで、一生騙されて高いお金を払わされ続けるか否か、の差ができてしまいます。賢い奴は、騙されずに得して勝ち、バカは騙されて、損して負け続ける。これが、今の世の中の仕組みなのです。
では、「購入 VS 賃借」という永久のテーマに対する最終結論において、賢い奴が上手く利用しているルールとは?
それは、小規模宅地等の特例です!
小規模宅地等の特例とは、税法における特別の取り扱いで、死亡した人の自宅の土地を一定の要件を満たす人が相続する場合、一定規模以下の土地の相続税評価額を80%減額等にする、というものです。例えば1億円の評価額の土地であっても、相続税の計算上は2000万円として評価されるということです。
マイホームを購入するか否かというテーマと、一見、全く関係のなさそうな相続の話題が唐突にでてきて、混乱されているかもしれませんね。しかし、これがマイホームを購入するか否かを判断する上で、非常に重要な検討課題の一つに「なりました」。なぜ、「なりました」なのでしょうか。それは、以前はそれほどは重要ではなかったからです。
小規模宅地等の特例は、課税強化という国の方針により改定されたのですが、改定前は、
・取得者(相続人=残された妻や子供等被相続人(死亡した夫等)と同居
・被相続人が1人で暮らしていた場合で、取得者に持ち家がない
といった「取得者」の要件を満たせば、240u以下部分の土地についてはその評価額を80%減額するという取扱のほかに、
・その土地の相続開始直前における利用状況が亡くなった人の自宅だった
という要件だけで、200u以下部分の土地についてはその評価額を50%減額するという取扱「も」あったのです。
しかし、改定により、これら「取得者」と「相続開始直前の利用状況」の両方の要件を満たしていないと、小規模宅地等の特例が全く適用されなくなってしまいました。
被相続人と同居しておらず、かつ、自分の持家に住んでいる人は、取得者の要件を満たすことができないため、この人が被相続人の居住用土地を取得する場合には、小規模宅地等の特例による評価減が全く適用されず、たとえば相続税評価額1億円の土地であれば、そのまま1億円として評価されて相続税を計算をすることになったのです。
そもそも小規模宅地等の特例は、被相続人等の居住用土地のうち相続人の生活基盤となる宅地について、他の財産と同じように課税されてしまうと、その宅地での居住が継続できなくなってしまうおそれがあり、これを回避するために高額な評価減を認め、重い相続税が課せられないように配慮しているものです。よって、相続人のうち既に持家を有している人は、被相続人の居住用土地に継続して住む必要がそもそもないため、この特例を適用する必要がないという考えなのです。
親が持家に居住していない人は、自分がマイホームを購入するか否かというテーマにおいて、小規模宅地等の特例が適用されるか否かという問題に対して注意を払う必要はありません。
しかし、総務省の統計によると、日本における持家率は60%を超えています。このサイトの読者はある程度の資産を有している方を想定しているので、多くの人の親は持家に居住しているでしょうから、この問題は非常に重要な検討課題であるはずです。1960-1970年代に親がマイホームを購入していると、相続税評価額が7000万円から1億円というのは、決して珍しいことではありません。
では、最も深刻な問題を抱えることになる「親が持家に居住しており、自分は親とは離れて既に持家を購入し居住している」という人は、どのような対策を講じればよいのでしょうか。
この非常に悩ましい問題についてご案内する前に、小規模宅地等の特例について、もう少し詳しくその内容を確認しておきましょう。改定前と改正後のそれぞれのポイントは、
【改定前】
・相続人のうち1人でも評価減特例の適用対象者だと、他の相続人にも評価減を適用
・被相続人が居住していた宅地であれば50%評価減を適用
・取得者が「同居している」などの一定の要件を満たせば、80%評価減を適用
【改定後】
・相続人それぞれについて要件の該当を判定
・被相続人が居住していた宅地であれば50%評価減としていた取扱を廃止
・宅地の要件と取得者の要件がいずれも満たされた場合にのみ80%評価減を適用
・宅地の要件と取得者の要件がいずれかを満たさない場合は評価減の適用なし
というものです。では、改定後の小規模宅地等の特例について、
・両親に長男と次男の4人家族で、父親が死亡
・長男は両親と同居
・次男はマイホームを取得して両親とは離れて生活
というモデルケースを踏まえながら、改定後の宅地の要件と取得者の要件を確認します。
【宅地の要件】
・相続開始直前において、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた親族の居住用
・建物や構築物の敷地用に供されていたこと
・一定の面積までの部分であること
この宅地についての要件は、大豪邸や別荘等については制限があるということであって、一般的なケースでは、特に問題となることはないはずです。
問題となるのは、もう一つの要件である「取得者についての要件」です。
【取得者の要件】
配偶者
・無条件で適用される
被相続人と同居していた親族
・相続開始の時から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、その宅地等を所有
被相続人と同居していない親族
・被相続人の配偶者又は相続開始の直前に被相続人と同居していた一定の親族がいない
・相続開始前3年以内に日本国内の自己又は自己の配偶者所有の家屋に居住していない
・相続開始の時から相続税の申告期限までその宅地等を有している
配偶者の場合は、全く問題ありません。検討を要するのは、被相続人(両親)と同居していた親族(長男)と被相続人と同居していない親族(次男)になります。
まずは、被相続人(両親)と同居していた親族(長男)について確認しましょう。
住所だけを形式的に両親宅に移しているだけで生活の実態を伴っていない、ということであれば不可ですが、両親宅にそのまま普通に同居していれば特に問題はありません。検討を要するのは二世帯住宅の場合です。
最近は二世帯住宅が増えているようです。経済的なところが大きな理由のようですが、それ以外にも共稼ぎの夫婦が増加している状況において、育児を助けてほしい、育児に自信がない、育児のストレスなどからサポートがほしい、祖父母と触れ合わせたい、といった理由から親との同居を希望しているようです。親側としても、子が同居してくれている安心感、いつでも孫の顔が見られる、といったメリットは大きく、両者の利害が一致しているといえでしょう。
二世帯住宅も登記によっていくつかの形態があります。
・単独登記:親または子どちらか一方がすべての資金を負担し、出資者の名義で所有
・共有登記:親と子がそれぞれ資金を出し合い、建物を分割せずに出資割合に応じて
共同で所有。出資者それぞれに住宅ローン控除が適用される
・区分登記:親と子がそれぞれ資金を出し合い、2戸の建物として所有
どのような登記になるかは基本的に出資で考えることになります。双方が出資し合っているにもかかわらず、どちらかの単独登記にした場合は贈与税が課されるので、通常は出資分に応じた共有登記か区分登記にするのが一般的です。
さらに建物の構造や機能によって1戸(共有)とみなすのか2戸(区分)となるのかが決まります。以下の要件を満たすと、 2戸とみなされます。
・玄関が2つある
・天井、壁でそれぞれの生活スペースが完全に分けられている
外へ出ないと行き来できない構造であれば、それぞれのスペースが完全に区分されているとされますが、内階段で行き来できても、内階段のところに鍵のかかる防火扉を設置すれば区分されているとされます。
2戸とした場合のメリットとして、
・不動産取得税、固定資産税の軽減措置がそれぞれに適用
・生活パターンが違う世帯同士の独立性を保持
・将来的に賃貸併用住宅への転用が容易
などが挙げられます。
現状の生活パターンにマッチし、将来まで見据えた構造、かつ税金面でもメリットがあるということで、区分登記を選択する人は多いようです。しかし、このことが、相続が発生した場合に、相続税の課税上、大きな問題が生じさせる可能性がありました。ポイントとなるのは「建物の構造」なのですが、国税庁の見解として、
・玄関が一つ
・建物内部で行き来できる
・構造上、世帯ごとに区分されていない
という条件を満たす二世帯住宅であれば、「同居」としていました。つまり、登記上で区分登記が可能な構造であれば、逆に、税務上は同居とはみなされない、ということになります。よって、小規模宅地等の特定の適用はなく、多額の相続税が発生する可能性がありました。
しかし、この構造上の制約も、平成26年1月1日以降の相続については撤廃され、二世帯住宅であれば、前述した玄関などの構造の如何にかかわらず、全て小規模宅地等の特例が適用されて80%評価減となる取扱に改定されました。よって、被相続人と同居していた親族についても、二世帯住宅も含めて実態を伴う同居をしてさえいれば、全くの無条件である配偶者ほどではありませんが、ほぼ問題は解消されたと考えてよいでしょう。
最後に残ったのは、被相続人(両親)と同居していない親族(次男)です。
小規模宅地等の特例は、居住の継続性に配慮したものです。よって、相続人のうち既に持家を有している人に対しては、制度の主旨を厳格に捉えた取扱に改定されたため、要件のハードルが非常に高くなり、評価減の適用が最も厳しくなりました。
特に注意して頂きたいのが、妻が実家の宅地を相続する場合です。「私は持家がないから大丈夫」という認識だと、痛い目にあいます。取得者の要件として、「相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない」とあるので、妻自身は持家を所有していなくても、自己の配偶者、つまり、夫の持家に居住していれば、妻は取得者の要件を満たさないことになり、妻には評価減の適用がない、いうことです。
親と同居していることにより取得者の要件を満たしている子がいれば、その子が居住用土地を取得し、持家を有しているため取得者の要件を満たしていない子がその他の遺産を相続して、その結果、相続した遺産に差額があれば、これを兄弟間で精算することで解決を図るという選択肢が残されています。問題となるのは、取得者の要件を満たす子が全くいない場合です。
改定前であれば「居住用土地を取得した相続人のうち1人でも評価減特例の適用対象者がいれば、居住用土地を取得した他の相続人の持ち分に対しても評価減が適用される」という取扱がありました。この取扱を利用すると、父親が死亡し実質的に子が宅地を相続する場合であっても、形式的に母親が僅かだけ宅地を相続しておけば、子が相続した宅地にも評価減が適用されたため、居住用土地については、相続税の問題が発生することはまずありませんでした。
しかし、改定により「相続人それぞれについて要件の該当を判定」となったため、この方法を利用することはできなくなりました。さらに、「被相続人が居住していた宅地であれば50%評価減」としていた取扱も廃止されたため、相続税評価額1億円の土地であれば、何らかの対策を講じなければ、そのまま1億円の土地として相続税が課税されることになったのです。
小規模宅地等の特例の厳格適用は、このように非常に影響の大きいものなのです。この影響を回避する最も簡単で確実な対策は「持家を所有しないこと」に尽きるので、「購入 VS 賃借」という永久のテーマに対する最終結論をだす前に、必ず検討しなければならない、更なる重要な検討事項がまだ残されている、とご案内したわけです。
では、既に持家を所有している場合には、対策としてどのような選択肢があるのでしょうか。
1.親と同居
いっそ親と同居すれば問題はクリアできます。子の持家は賃貸用として貸しに出すのです。
2.賃貸用として貸し
親と同居できない場合は、子の持家は賃貸用として貸すのは1と同じですが、その家賃収入で子は賃貸物件に居住する、という選択肢もあります。
3.建物は親が所有
土地は子供の所有としつつも、建物は親の所有とします。これは子が居住用家屋を所有することを否定することになるため、区分所有マンションでは不可能で、戸建住宅のみに有効な対策です。
4.親の持家を貸出し
上記1から3は、「相続開始前3年以内に日本国内の自己又は自己の配偶者所有の家屋に居住していない」という要件を満たすための対策なのですが、問題となるのは「相続開始前3年以内に」という部分です。
もし対策を実行した2年後に相続が発生すれば「相続開始前3年以内に」という要件を満たさないことになるので、このリスクは回避する必要があります。
小規模宅地等の特例には、これまでご案内してきた「居住用宅地等」に対するものの他に、「貸付事業用宅地等としての200uまで50%評価減」という取扱があります。
この取扱を活用して、親の持家は賃貸用に供し、その家賃収入の範囲内で親は賃貸物件を借りて居住します。必要に応じて、子の近所に居住することも可能になるという副次効果も発生します。
親が病床にあれば、選択肢としては事実上これしかなく、あえて80%評価減から50%評価減に変更してまで方向性を転換する理由はご理解頂けたでしょうか。
5.同族法人を活用
親の建物は同族法人が所有して社宅化してしまいます。同族法人へ土地の賃貸を行うことで、居住用宅地等の特例の適用を自ら放棄し、代わりに、代わりに貸付事業用宅地等としての200uまで50%評価減という適用が受けられるように方向性を転換するのは上記4と同じですが、親が住み慣れた持家にこれまでどおり居住できるメリットがあります。
如何でしょうか。「小規模宅地等の特例というルールを上手く利用するか、しないか」、たったこれだけの違いにより、相続税において、とんでもない違いが発生するのです。しかも、これは直ぐに対応可能なものではなく準備にある程度の時間を要するものなので、このルールを踏まえて事前に対策を講じているか否かは、最終的な相続税に及ぼす影響は計り知れないものになるでしょう。
税金、社会保険や民間保険、資産運用や不動産投資などは、税理士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家のアドバイス一つで、この様に、数十万円、数百万円も結果が異なってくることが少なくないのです。特に、個人事業者や小規模会社で、ある程度の利益が予想される場合、その対策の巧拙は、成功の命運を大きく左右する、といっても過言ではないでしょう。「ルールを上手く利用するか、しないか」たったこれだけの紙一重の差が、決定的な違いを生じさせるのです。
また、これらの制度はお互い密接に関連していて、「税金は安くなったが、それ以上に社会保険が高くなっていた」では意味がありません。逆に「税金は多少高くなるが、それ以上に社会保険料が劇的に安くなる」といった全体を俯瞰した対応が必要です。
こうした理由から、税理士や社会保険労務士の中でも、税金だけでなく、社会保険だけでなく、これらの制度全体を俯瞰できる専門家から適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
このサイトには掲載できていない「賢い奴が上手く利用しているルール」は、まだまだありますが、それでも、専門家からのサポート受けずに、あなたお独りでされますか?
もう少し詳しい話を、直接、税理士や社会保険労務士に相談したい、とお考えの方は、下記の「訪問日時のご予約」のメールフォームに必要事項を入力して、メール送信して下さい。折り返し、こちらから返信します。
このサイトは「個人事業として始めたビジネスがある程度成功し、次のステップとして税金対策などを考えて、自宅を本社として会社設立を検討している個人事業者」をモデル読者として想定し作成しています。このレベルの個人事業者だと「年収700万円から1500万円クラスの所得層」になるでしょうか。
メインサイトである「会社設立 3つの警告」において、会社設立の注意点や法人成りのメリットデメリットをご案内し、サブサイトである「間違いだらけの税理士選び」では、税理士選びのポイントや節税のツボなどについて記載しています。
また、税理士や社会保険労務士として顧問先をサポートするためには、
・税金だけでなく
・社会保険料だけでなく
・会社分だけでなく、個人分もあわせて
・資産運用、不動産投資、民間保険活用をも含めた包括的な対策
が必然的に求められてくるため、「資産運用の王道を歩め」「不動産投資の落とし穴」「保険選びの鉄則7ヶ条」といったサイトにおいて、それぞれの急所を解説しています。
1.相談料金は?
顧問契約前のご相談は、最終的に契約の締結に至らなかったとしても、無料とさせて頂きますので、お気軽にご連絡ください。
しかし、私どもの説明に納得いただき、両者が合意に至った場合には顧問契約を締結する(顧問契約のお返事は、その場で即答するのではなく、後日にじっくり検討した後で結構です)という前提でのご相談になるので、顧問税理士を必要とする事業規模でない場合は、市役所などが開催する無料相談のご利用をお勧めします。
2.相談対象者は?
「小規模零細ながらも、そこそこの利益が見込める方」を対象者として、税金だけでなく社会保険料も含めた租税公課の包括的な負担軽減を図ることに私どもは特化しています。詳しくは「顧問先を絞り込む理由は」をご参照ください。
ちなみに、私どもがお手伝いをしている顧問先の一部をご紹介すると、
・日本を代表する1部上場企業の重電メーカーに原発関係の設計図を納品
・退職した会社とのパイプを活用して防衛庁などに技術サービスを提供
・サラリーマン時代に培ったノウハウを活かして厳選したレアもの雑貨を通信販売
・特殊資格をベースとして特定の分野に特化した介護サービスを提供
・全国紙新聞社の印刷部門に専門メンテナンスサービスを実施
・非英語圏の外国法人の日本駐在員として貿易事務手続きを担当
・ソフト自社開発とともに、技術顧問としてソフト会社をサポート
・退職した大手1部上場企業である商社に独自の業務サポートを展開
といった方々になります。これらの事業に共通していることは、
・これまで培ってきた経験とノウハウをベースにしており、オリジナリティが強い
・事務所や店舗が不要で、自宅を本社として登記
・設備投資が不要
・社員は夫婦などの親族のみで、必要に応じてパートやバイトで補充
といった点が挙げられます。つまり、「強い独自性により差別化が容易なので価格競争に陥らず、かつ、費用もあまり発生しないしくみであるため、利益を稼ぎやすいビジネスモデル」だということです。
あなたの事業が上記に共通する点が多ければ、税理士や社労士として、私どもはおおいにお役にたてると考えます。
3.顧問報酬は?
事前のお尋ねで多いものの一つに「顧問報酬はどれくらいになりますか?」という料金に関するものがあります。顧問契約を締結するにあたって重要な事項ではありますが、家電製品の販売ではないので「XX万円です」といった即答できる性格のものではありません。
このあたりの詳細については「税理士報酬の業界相場は」に詳述していますので、ご参照ください。
4.打合場所
通常は、私どもがそちらに伺ってお話を承ります。これは、適切にアドバイスするには、話の流れに応じて、様々な書類を拝見する必要があるかもしれない、ということと、住居も含めた相談者の環境を把握したうえでアドバイスしたい、というのが主な理由です。
しかし、もしご希望であれば、私どもの事務所へお越し頂いても、そちらの近くの喫茶店などでの打合せでも結構です。
5.ご訪問の日時
ご訪問の日時についてですが、希望時間や希望曜日について特に希望がない場合、「特になし」を選択し、その他の希望事項に「近日中に打ち合わせたい」などを入力してください。
なお、コメント欄に現況などをお知らせ頂ければ幸いです。
6.売込み一切なし
私どもは「わが事務所をぜひ!」といった売込みは一切致しませんし、説得もしません。もちろん、訪問の後に、売込みのためのしつこい電話やメールもありません。
それでは、あなたからのご連絡をお待ちしています。
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